Diary

歴史は繰り返すもの


 「耐震データ偽造」のニュースが巷をにぎわせています。まさか違法な建築が行われ、検査機関もすり抜けてしまったなんて誰も想像だにしていなかった。

 ……「ホントにそうか?」とちょっと考えてみる。

 ユーザーの知らないところで、実はいろいろとやっているんじゃないかと少し意地悪く考えてみる。

 ユーザーのことを第一に考えて食品、製品、サービスを提供しなければならないのは基本中の基本なんですが、実はそれは「見える部分」だけではないのか。

 過去にだって、雪印乳業が大規模な集団食中毒を起こした際には、売れ残った牛乳を再利用して製品を作っていたなんてこともあったし、特に日本人は見てくればかり気にしてしまい、野菜なんかも見た目を気にして農薬がどのくらい使われているのか分からない(最近では有機栽培、無農薬、低農薬なんてのが出てきて状況は良くなりつつありますが…)。建物関連であれば、不必要なリフォームを繰り返す悪質業者もあった。

 これらと今回の事件は状況は似ているのではないか。ノンプロの僕らにはわからないところで、ごまかしている。


 消費者に対して食品、製品などを提供している人たち(僕も含めて)は、実際にそれらの作業をしているときに消費者のことを考えてものを作っているのかと考えると、実はそうでもなく、流れ作業で淡々とこなしているのが現状で、そこに「不可解な手順」が入ったとしても、ストッパーがかからないような気がする。

 食品、製品等を作る会社は、自社の製品の品質を上げ、リーズナブルな価格に抑えるという『クオリティ』の部分と、コストダウンやら売り上げを伸ばせやらの『儲け』を追及する部分の「二兎を追う者」になっている状態で、このバランスを取れずにどちらかの手を抜くケースなんてかなり発生しているんではないか。

 あまりに偏った見方かも知れないけれど、そんな気がしてならない。他にどのくらい似たような状況になって、今後いくつ発生するか分からないけれど、確実に同じようなことが発生するだろうと思う。

 「確実に発生する」との視点に立って、さまざまなものの審査体制は十分に敷いておくべきなんだろう。それもまた難しい話だろうと思うが。


 多くの人が真に笑って暮らせる世の中っていうものは、いつの日か訪れてくれるのだろうか。
2005年12月17日(土) No.345 (思馳◇社会)