Diary

ものづくり


 「文化の日」って、日本国憲法の公布日だったんですね。知らなかった…

 にしても、1日に東京証券取引所で午前中にシステムが全面的にダウンして、取引が全く出来ない状態になったことがニュースになりました。システムは富士通製だということですが、僕の聞いた話だと、富士通ではHPで謝罪のコメントを発表していますけど、噛んでいるのは全体のシステムの一部だとか。ま、内容はよく分からないのでなんとも言えませんが…

 僕も仕事でシステム開発・運用に携わっているんですけど、僕は全くプログラムは分かりません。かっこよく言えば、「システムアドミニストレーター」的な役割でしょうか。組織の運用形態とかを開発部隊に伝える役目というか…

 そんなのを去年ずっとやっていて、2月〜5月まではワケ分からなくなってました。そもそも検討・開発期間が短すぎて、動かすのだけで手一杯だったんです。しかもシステム稼働テストは実質僕がやっている状態。開発部隊からはほぼ未テストで納入されるようなタイトなスケジュールだったんです。ちゃんと動くか本当に心配でした。それなりに重要な基幹システムだったので、失敗するわけにはいかなかったんですよ。

 なんとか稼働にはこぎ着けたものの、いろいろトラブルは発生してまして… 4月から稼働しているのに未だにトラブル発生中(苦笑)。開発期間の短さと無茶な改修が重なっちゃって… パッケージソフトがベースだったんですが、ずいぶん直しをいれてまして(苦笑)。

 そんなこんなでテストばっかりやっていたので、東証のシステムダウンはビックリ、というか興味が引かれました。大規模なシステムダウンを起こしたら、大きなリスクが発生するんだなぁということを改めて思い知らされました。開発部隊がそんなリスク背負わされて、しかも開発期間が短く、無茶な改修をやらされていたらミスは起こるべくして起こりますからね。

 僕の手がけたシステムもシステムダウンを何度も起こしました(苦笑)。原因も、システム自体がいろんな機能を持っているため、どこが悪いのか特定するだけで時間がかかりますから、正常稼働させるのに手間取るんです。

 でも、僕がシステムを担当して感じたのは、分業制が馴染んできてしまって、「ものづくり」の何かを忘れてきてしまっているように感じるんです。ぶつ切りに「もの」がつくられており、全体が見えていなくて、「ものづくり」のレベル全体が落ちているような気がするんです。大きなものの全部をひとりで作るわけには行かないでしょうけど、全体のコンセプトが見えなくて、『とりあえず作りました!』的なものが増えてるような気がします。気のせいかも知れませんけど。だからこそ、一部分だけテストしても、全体を見据えたら実は大問題の要素を抱えているかも知れないっていうのが見えないケースが出てくる可能性が発生するようです。

 IT業界では団塊の世代が退職を迎える時期が迫っており、技術が若手に受け継がれていなくて、システム障害が続発するような「2007年問題」なんてのが話題に挙がっているようで、確かにこれまで職人芸的にこなしてこられた方がいなくなってしまって、何も分からない若手だけが残るなんてことは十分考えられますからね。

 そんなこんなで、非常にシステム屋は大変なんだなぁと思った今日この頃でした。

 にしても、「工数」っていうのは中身分からなくてサッパリ分からん(爆)。なんか基準とかあるんだったら誰か教えて!

2007年問題をGoogleで検索してみる。
2005年11月03日(木) No.258 (思馳◇社会)